吉野敏充デザイン事務所 代表 吉野敏充 氏

　山形県新庄市出身。東京デザイン専門学校卒業。ソフト・オン・デマンドに入社後独立し、東京で10年間仕事をした後、30歳で新庄へ帰郷。現在のデザイン事務所を設立しました。
　現在は地元である新庄最上を中心に、地元の資源を活用したデザイン業務を行っています。その地域デザインプロジェクトの一環として２０１２年に地元の有志と共に〈kitokitoマルシェ〉をスタートさせ、今では１日２千人を超える大人気のマルシェに成長しています。
　「仕事でもイベントでも、（自分が）関わった人たちが、何かしら自信をつけて行動に移してくれたらうれしいですね。まずはやりたいことを実現できる環境を整備して、もっと地域に貢献したいと考えています。
　マルシェの出店者やボランティアスタッフ、またお客さんも含めて、他の地域の人との交流が生まれたり、アイデアや価値の多様性などが生まれることで、そこから繋がりが生まれて地域が元気になっていくことが楽しいです。
　今後の事業展開としては、株式会社を設立してカフェの営業や田舎ならではの手仕事の体験、イベントの企画運営などを実施してさらに地域資源を見直しつつ、外へ広げていきたいと思っています。
　自然に寄り添い暮らしてきた先人たちが培ってきた知恵や技術、豊かな食文化には学ぶべきものがたくさんあるように思います。そんな先人たちの姿を今一度見つめなおして、改めてこの地域での豊かさを感じてもらえるような『地域デザイン』をしていけたらいいなと思っています」。

〈kitokitoマルシェ〉　
kitokito（きときと）とは、あおむしがゆったりと歩く様子を意味する方言。人と人が触れ合う場所をテーマに、新庄市エコロジーガーデン「養蚕の杜」で５月から11月までの毎月第３日曜日に開催している。